シミュレーションって結局何なの?
こんばんは!
ふじです。
シミュレーションってよく聞く言葉だと思います。
でも実際シミュレーションって何?
何をシミュレーションしてるの?
シミュレーションしてどうなるの?
シミュレーションのメリットデメリットって?
そう思う方も多いと思います。
そこで今日は、研究でシミュレーションをやっている僕が、僕の研究を例に、シミュレーションについてのこのような疑問にお答えしようと思います。
そもそもシミュレーションとは?
ウィキペディアさんによるとこういうことです。
シミュレーション(英: simulation)は、何らかのシステムの挙動を、それとほぼ同じ法則に支配される他のシステムやコンピュータなどによって模擬すること。
(ウィキペディアより)
なんか難しい、
身近な例で言うと、天気予報があります。
天気予報では、スーパーコンピュータを使って、過去の天気や現在の雲の動きなどをもとに1週間後や1ヶ月後の天気がどうなるかを計算しています。
また、家のCMなどで家の骨組みの模型を作って揺らすことで、こんなにも地震に強い家ですよーってアピールしてるものもありますよね!あのCMでは、擬似的に地震を起こすことで未来に本当の地震が起きたときに、この家は壊れないという予想を示しています。あれもいわゆるシミュレーションです。
とりあえず、シミュレーションのイメージとしては「コンピュータや模型を使って、ある出来事が起きたときどうなるのか、またその影響を予想すること 」みたいな感じです。
ちなみに僕は空気の流れを研究しており、コンピュータを使って空気の流れをシミュレーションしています。
シミュレーションのメリット
シミュレーションのメリットは大きく3つあると思っています。
- 様々な実験の準備期間や費用が大幅に抑えられる
- 実験が難しくてもシミュレーションなら可能
- 時間と場所を選ばない
1.様々な実験の準備期間や費用が大幅に抑えられる
ある出来事や現象を明らかにしようとしたときに、1番に思いつく方法として「実験」があります。中学理科レベルの簡単な実験ならすぐに行えますが、自動車の性能を調べる実験や飛行機のジェットエンジンの性能を調べる実験となれば話は別です。実際のエンジンを作ってみたり、実験する場所を探すとなれば、準備期間と実験に費やす費用は大幅にかかります。その点、シミュレーションであれば、コンピュータ1台で簡単に仮想の実験をすることができるため、実験の準備期間や費用を大幅に抑えることができます。
2.実験が難しくてもシミュレーションなら可能
難しい実験、たとえば爆発を伴う実験や有毒ガスが発生する実験は、人が実験をするとなると危険が伴います。あまりしたくありません(笑)
しかし、シミュレーションであればおわかりの通り、危険を伴うことなく現象を明らかにすることが可能です。
3.時間と場所を選ばない
シミュレーションは時間と場所を選びません。なぜなら、コンピュータ1台あればシミュレーションができるからです。強いて言うならコンピュータを置くスペースが必要なくらいです。(笑)
また、シミュレーションであれば、夜中に実験したり炎天下の中での実験など過酷な環境や場所とはおさらばです!
好きなときにいつでもコンピュータがシミュレーションしてくれます。僕らはその計算が終わるのを待つだけ(笑)
ここまで言うと「実験ってせんでよくね?」「シミュレーションだけで色んなことわかるくね?」と思う方も多いと思います。
しかし、シミュレーションにもデメリットはあります。
今から挙げていきたいと思います。
シミュレーションのデメリット
- ものにもよるが、結果が出るまでに時間が大幅にかかる
- しかもその結果が正しいとは限らない
1.ものにもよるが、結果が出るまでに時間が大幅にかかる
僕も今空気の流れをコンピュータでシミュレーション(計算)していますが、計算には大幅に時間がかかります。具体的に言うと、簡単なシミュレーションだと30分くらい。ちょっと気合をいれた複雑なシミュレーションだと結果が出るのに2ヶ月くらいかかります。その2ヶ月はコンピュータつけっぱなしの動かしっぱなしです(笑)
2.しかもその結果が正しいとは限らない
さらに残酷なのは、2ヶ月かけて計算した結果が正しいとは限りません。特に空気の流れとなればなおさら。なぜか説明します。僕の研究であれば空気の流れをコンピュータで計算して予測していますが、その際のコンピュータが行う計算というのは、「流れの方程式」を計算するということです。
「流れの方程式?」
「空気の流れを数式で表現できるの?」
そう思われた方も多いと思います。
そうなんです、正確に空気の流れを数式で表現することなんてできません(笑)大まかには表現できますが、空気の流れに細かな規則性はないため、正確に表現することなんてできないんです。そのため、シミュレーションによって得られた結果も正しいとは限りません。
じゃあどうやってシミュレーションの妥当性を評価するのか。
ここで登場するのが実験です!
シミュレーションと同じ実験をすることによって、「実験と同じ結果になるということはこのシミュレーションは正しいねー」「実験と同じ結果にならないということは、このシミュレーションの結果ってどうなの?」みたいな判断ができます。
いかがでしたか?
シミュレーションについて少しでも分かっていただければ幸いです。
シミュレーションは私達の身の回りの色んな所で行われています。
あなたも探してみては?
今日も最後まで読んでいただきありがとうございました。
車周りの空気の流れのシミュレーション